※この記事は、メーカーや販売店が公開している仕様をもとにした比較です(実機レビューではありません)。記事内のリンクには広告を含みます。価格は2026年10月20日時点のもので、変わることがあります。
DTMを始めるとき、最初の1台に選ばれやすいのが37鍵のMIDIキーボードです。MIDIキーボードは、それ自体は音を出さず、パソコンの音楽ソフトに「どの鍵盤を、どれくらいの強さで弾いたか」を送る機材です。
37鍵は約3オクターブ。机の上に置きやすく、両手で簡単なコードとメロディを弾ける広さがあります。この記事では、2026年6月に登場したArturia「MiniLab 37」と、Novationの「FLkey 2 37」「Launchkey 37 MK4」の3台を、公式サイトの仕様をもとに比べます。
結論:目的別のおすすめ
- 安さと軽さ、フェーダーも欲しい人:Arturia MiniLab 37。3台の中でいちばん安く、重さは約半分。フェーダー(上下に動かすつまみ)が4本あります。
- FL Studioを使う人:Novation FLkey 2 37。FL Studio専用の操作ボタンがあり、ステップ入力やミキサー操作が手元でできます。
- Ableton Live・Logic・Cubaseなどを使う人:Novation Launchkey 37 MK4。複数のDAW向けに専用の連携機能があり、付属ソフトにAbleton Live LiteとCubase LEが入っています。
鍵盤の大きさで選ぶなら、MiniLab 37は細めの「スリム鍵盤」、Novationの2台は「フルサイズ鍵盤」です。ピアノに近い鍵盤幅で練習したい人はNovationの2台が候補になります。
37鍵MIDIキーボードの選び方
1. 鍵盤のサイズ
鍵盤には、ピアノと同じ幅の「フルサイズ」と、細めの「スリム」「ミニ」があります。細い鍵盤は本体が小さく軽くなる反面、ピアノとは指の感覚が変わります。MiniLab 37はスリム鍵盤で、FLkey 2 37とLaunchkey 37 MK4はフルサイズ鍵盤です。
2. ベロシティとアフタータッチ
ベロシティは「鍵盤を弾く強さ」を音の大きさや音色に反映する機能です。3台とも鍵盤はベロシティに対応しています。アフタータッチは「押したあと、さらに押し込む力」で音を変化させる機能です。今回の3台は、公式サイトで鍵盤のアフタータッチについての記載がありません。いっぽうパッドは、3台とも押す力に反応するタイプです(詳しくは比較表で)。
3. DAWとの連携
DAW(ダウ)は、パソコンで曲を作る音楽ソフトのことです(FL Studio、Ableton Live、Logic、Cubaseなど)。MIDIキーボードには、特定のDAW向けに「再生・録音ボタンやつまみが最初から割り当て済み」になる連携機能があります。自分が使う、または使う予定のDAWに対応しているかを確認しましょう。
4. 付属ソフト
まだDAWを持っていない人は、付属ソフトも大切です。体験版や機能限定版のDAW、音源(ソフトシンセ)がセットになっていることが多く、届いてすぐに曲作りを始められます。
5. 置き場所とサイズ
フルサイズ鍵盤の37鍵は、幅が55cm台、奥行きが25cm前後になります。パソコンの前に置くなら、机の奥行きも合わせて確認しておくと安心です。
3機種の比較表
| 項目 | Arturia MiniLab 37 | Novation FLkey 2 37 | Novation Launchkey 37 MK4 |
|---|---|---|---|
| 楽天価格 | 25,960円 (イケベ楽器) | 30,000円 (イシバシ楽器) | 30,000円 (イシバシ楽器) |
| 鍵盤 | 37鍵 スリム鍵盤 | 37鍵 フルサイズ シンセアクション | 37鍵 フルサイズ シンセアクション |
| ベロシティ(鍵盤) | 対応 | 対応 | 対応 |
| アフタータッチ(鍵盤) | 公式サイトでは公表されていません | 公式サイトでは公表されていません | 公式サイトでは公表されていません |
| パッド | 8個(2バンクで16) ベロシティ・プレッシャー対応 | 16個 ポリフォニック・アフタータッチ対応 | 16個 ポリフォニック・アフタータッチ対応 |
| ノブ | エンコーダー8個 | エンドレス・エンコーダー8個 | エンドレス・エンコーダー8個 |
| フェーダー | 4本 | なし | なし |
| ピッチ/モジュレーション | タッチストリップ×2 | ホイール×2 | ホイール×2 |
| 画面 | 小型ディスプレイ | OLED(128×64) | OLED(128×64) |
| DAW連携 | Ableton Live、Logic Pro、Cubase、FL Studio、Bitwigなど向けスクリプト | FL Studio専用 | Ableton Live、Logic、Cubase、Reason、FL Studio、Ardour向けスクリプト |
| 主な付属ソフト | Analog Lab Intro、Ableton Live Lite、Komplete 15 Selectほか | FL Studio Producer Edition(6か月)、Komplete Selectほか | Ableton Live Lite、Cubase LE、Komplete 15 Selectほか |
| 接続 | USB-C、MIDI出力(5ピン)、ペダル入力×1 | USB-C、MIDI出力(5ピン)、サスティンペダル入力 | USB-C、MIDI出力(5ピン)、サスティンペダル入力 |
| 電源 | USBバスパワー | USBバスパワー | USBバスパワー |
| サイズ(幅×奥行×高さ) | 503×183×54mm | 557×251×79mm | 557×251×79mm |
| 重さ | 1.17kg | 2.18kg | 2.18kg |
USBバスパワーは、USBケーブル1本で電源もまかなう方式です。3台とも電源アダプターなしで使えます。また、3台ともMIDI出力端子があり、パソコンなしで外部のシンセサイザーを鳴らすこともできます(MIDI入力端子は3台とも公式仕様に記載がありません)。
Arturia MiniLab 37の特徴
MiniLab 37は、Arturiaが2026年6月11日に発表した37鍵のコントローラーです。人気の小型モデル「MiniLab 3」(25鍵)に鍵盤を12個足したモデルにあたります。違いはMiniLab 3とMiniLab 37の違いでまとめています。
- 軽くて薄い:重さ1.17kg、高さ54mm。Novationの2台(2.18kg)の約半分の重さです。
- 操作子が多い:エンコーダー(回すつまみ)8個に加えて、フェーダー4本があります。DAWの音量やソフトシンセのパラメーターを手で動かしたい人に向きます。
- パッドは押す強さにも反応:8個のRGBパッドは、ベロシティとプレッシャー(押し込む力)に対応。2バンク切り替えで16個分として使えます。
- ピッチとモジュレーションはタッチ式:指でなぞるタッチストリップを2本搭載しています。
- 演奏補助機能:アルペジエーター(和音を自動で分散して弾く機能)やコードモード、ホールドを内蔵しています。
付属ソフトは、Arturiaの音源集「Analog Lab Intro」、DAWの「Ableton Live Lite」、Native Instrumentsの「Komplete 15 Select」(3種類から選択)などです。DAW連携はAbleton Live、Logic Pro、Cubase、FL Studio、Bitwigなどに対応しています。
注意点は鍵盤がスリムサイズであることです。ピアノと同じ鍵盤幅を求める人は、Novationの2台と比べてから選ぶとよいでしょう。
Novation FLkey 2 37の特徴
FLkey 2 37は、DAW「FL Studio」専用に作られたMIDIキーボードです。FL Studioを使う人にとっては、パソコンのマウス操作を減らせる点が大きな特徴です。
- FL Studio専用ボタン:再生・録音に加えて、メトロノーム、Score Log(直前に弾いたフレーズを記録する機能)、Pattern/Song切り替え、Undo/Redoのボタンがあります。
- チャンネルラックを手元で操作:パッドでFL Studioのチャンネルラックのステップ入力や、FPC・Slicexを使った指ドラムができます。
- つまみの自動割り当て:8個のエンコーダーがミキサー、チャンネルラック、プラグインに自動で割り当てられます。
- 作曲サポート:30種類のスケール(音階)を選べるスケールモード、3種類のコードモード、ステップ編集つきのアルペジエーターを内蔵しています。
付属ソフトにはFL Studio Producer Editionの6か月分が含まれます。ほかにNovation Play、GForceのシンセ音源、Native InstrumentsのKomplete Selectなど、20以上のプラグインが付属します。
FL Studio以外のDAWでは、HUI(DAWの共通操作規格)での接続になります。FL Studio以外を使う予定がある人は、次のLaunchkey 37 MK4のほうが向いています。なお、専用スクリプトの利用には新しいバージョンのFL Studioが必要と案内されているので、手持ちのバージョンを公式サイトで確認してください。
Novation Launchkey 37 MK4の特徴
Launchkey 37 MK4は、いろいろなDAWで使うことを想定したNovationの定番シリーズです。本体のサイズや鍵盤、パッド、つまみの数はFLkey 2 37と同じで、違いは主に「どのDAWに合わせて作られているか」と付属ソフトです。
- 幅広いDAWに対応:Ableton Live(11以降)、Logic、Cubase、Reason、FL Studio、Ardour向けの専用スクリプトがあります。そのほかのDAWはHUIで操作できます。
- フルサイズ鍵盤:37鍵のフルサイズ・シンセアクション鍵盤(軽めのタッチの鍵盤)です。
- パッドは16個:RGBに光る16個のパッドはポリフォニック・アフタータッチ(パッドごとに押し込む力を検知)に対応しています。
- 作曲サポート:30種類のスケールモード、Chord Map/Fixed Chord/User Chordのコードモード、ステップ編集つきアルペジエーターを内蔵しています。
付属ソフトにはAbleton Live LiteとCubase LEの2つのDAWが入っています。まだDAWを決めていない人も、付属のDAWで始められます。
注意点として、この37鍵モデルにはフェーダーがありません(公式仕様に記載なし)。フェーダーで音量を動かしたい人は、MiniLab 37も候補にしてください。
まとめ
- 価格を抑えたい・軽さを重視・フェーダーも欲しい → Arturia MiniLab 37
- FL Studioで曲を作る → Novation FLkey 2 37
- Ableton Live・Logic・Cubaseなどで使う、DAWをこれから選ぶ → Novation Launchkey 37 MK4
MIDIキーボードのほかに、音を聴くためのヘッドホンや、マイク・楽器を録音するためのオーディオインターフェースもあると制作の幅が広がります。必要な機材はDTM・宅録を始める機材リスト、オーディオインターフェースは初心者向けオーディオインターフェース比較も参考にしてください。






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