※この記事は、メーカーや販売店が公開している仕様をもとにした比較です(実機レビューではありません)。記事内のリンクには広告を含みます。価格は2026年10月20日時点のもので、変わることがあります。
ゲーム実況や歌枠、弾いてみた配信を始めたいとき、よくぶつかるのが「マイクの声は届くのに、ゲームやカラオケ音源の音が配信に乗らない」という悩みです。これを手軽に解決してくれるのが、オーディオインターフェース(マイクや楽器をパソコンにつなぐための機材)のループバック機能です。
この記事では、メーカー公式サイトでループバック機能の搭載を確認できた7機種を、入力の数、ループバックの切り替え方、スマホ対応、ミキサーとして単体で使えるかどうか、サイズ、楽天市場の価格で比べます。
ループバック機能とは?
ループバックは、パソコンで鳴っている音(ゲーム・BGM・カラオケ音源など)を、マイクの音と一緒に配信ソフトへ送り返す機能です。ふつうのオーディオインターフェースは「マイクの音をパソコンへ送る」と「パソコンの音をヘッドホンへ出す」が別々の道になっています。ループバックをオンにすると、パソコンから出た音をもう一度「入力」として戻せるので、OBSなどの配信ソフトで両方の音を扱えるようになります。
ループバックがあると便利なのは、たとえばこんな人です。
- ゲーム配信:ゲーム音と実況の声を一緒に届けたい
- 歌枠:パソコンで流すカラオケ音源と歌声を一緒に配信したい
- 弾いてみた配信:パソコンで流す伴奏とギター・ベース・キーボードの音を一緒に配信したい
なお、ループバックの「中身」は機種ごとに少し違います。本体の中でマイクとパソコンの音を混ぜて1本にまとめる機種もあれば、パソコンの音だけを別の入力チャンネルとして戻し、配信ソフト側で混ぜる機種もあります。この違いは後で説明します。
結論:目的別のおすすめ
- 配信がメインで、手元のつまみで音量を操作したい:YAMAHA AG03MK2(1人用)/AG06MK2(マイク2本・楽器も使う人)
- スマホ・iPhoneでの配信や、演奏動画づくりもしたい:Roland GO:MIXER STUDIO
- 安く、本体スイッチだけでループバックを切り替えたい:YAMAHA UR22MK3
- 作曲・録音もしっかりやりつつ、ときどき配信:KORG microAUDIO 22、Focusrite Scarlett 2i2 4th Gen、Universal Audio Volt 2 Gen 2
迷ったら、「配信で使う時間が長いか、曲づくりで使う時間が長いか」で考えると選びやすくなります。配信が中心ならミキサー型のAGシリーズ、曲づくりが中心ならインターフェース型の機種が候補です。
ループバック対応オーディオインターフェースの選び方
1. 入力の数:マイク1本か、マイク+楽器か
しゃべるだけならマイク入力1つで足ります。弾いてみた配信でギターやキーボードもつなぐなら、入力が2つ以上ある機種を選びましょう。ギターやベースを直接つなぐ場合は、Hi-Z(ハイ・インピーダンス)入力(ギターの信号をそのまま受けられる入力)があるかも確認します。コンデンサーマイクを使うなら、ファンタム電源(マイクに電気を送る機能、+48V)も必要です。今回の7機種は、どれもファンタム電源に対応したマイク入力を備えています。
2. ループバックの方式:本体で切り替えるか、ソフトで設定するか
配信中にすばやくオン・オフしたいなら、本体のスイッチで切り替えられる機種が安心です。AGシリーズやUR22MK3、GO:MIXER STUDIOはこのタイプです。いっぽうScarlett 2i2やVolt 2 Gen 2は、パソコン用の専用ソフトで設定するタイプです。最初の設定さえ済めば使えますが、パソコンなしのスマホ配信では使い方が変わるので注意しましょう。
3. スマホ対応:iPhone・Androidで配信するか
スマホで配信したい人は、メーカーがiPhone・iPad・Androidへの対応を書いているかを確認しましょう。AGシリーズは4極ミニ端子(イヤホンマイクと同じ形の端子)があり、Androidにもこの端子でつなげると公式に案内されています。
4. ミキサーとして単体で使えるか
AGシリーズやGO:MIXER STUDIOは本体がミキサーになっていて、つまみやボタンで各入力の音量をその場で調整できます。インターフェース型の機種は、細かい音量バランスをパソコンのソフトで調整するのが基本です。
比較表
| 機種 | 入力 | ループバックの方式 | 対応OS・スマホ | 単体ミキサー | サイズ/質量 | 楽天価格(ショップ) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| YAMAHA AG03MK2 | マイク/ライン1(ヘッドセットマイクと切替)、ステレオライン1(ギター対応)、4極ミニ1、USB | 本体スイッチ(STREAMING OUTで選択) | Windows/Mac/iOS(AG Controller)、Androidは4極ミニ端子で対応 | あり(ミキサー型) | 幅126×高さ63×奥行201mm/0.8kg | 25,300円(池部楽器店) |
| YAMAHA AG06MK2 | マイク/ライン2(CH2はギター対応)、ステレオライン2、4極ミニ1、USB | 本体スイッチ(STREAMING OUTで選択) | Windows/Mac/iOS(AG Controller)、Androidは4極ミニ端子で対応 | あり(ミキサー型) | 幅152×高さ63×奥行201mm/0.9kg | 30,800円(イシバシ楽器) |
| Roland GO:MIXER STUDIO | マイク/ライン2、ギター/ベース1、ステレオライン1、AUX(4極ミニ)、ヘッドセットマイク | 本体設定(LOOPBACKパラメーター) | Windows 11/macOS 15以上/iOS・iPadOS 18以上(USB-C機種) | あり(画面付きミキサー) | 幅110×奥行156×高さ65mm/440g | 44,000円(池部楽器店) |
| YAMAHA UR22MK3 | マイク/ライン2(INPUT2はHi-Z対応) | 本体スイッチ(MONITORスイッチ) | Mac/Windows/iPad/iPhone | なし | 幅158×高さ47×奥行102mm/450g | 22,000円(イシバシ楽器) |
| KORG microAUDIO 22 | マイク/ライン2(Hi-Z対応) | パソコンの音を入力3-4chとして返す | 公式仕様ページに動作環境の記載なし(製品ページでは「スマートフォンやタブレットとも連携」) | なし | 幅150×奥行128×高さ68mm/407g | 24,750円(島村楽器) |
| Focusrite Scarlett 2i2 4th Gen | マイク/ライン/楽器 2 | ソフト(Focusrite Control 2)で設定、入力3-4chとして返す | Windows/macOS(公式製品ページにiOS・Androidの記載なし) | なし | 高さ47.5×幅180×奥行117mm/595g | 28,600円(島村楽器) |
| Universal Audio Volt 2 Gen 2 | 2系統 | ソフト(UAD Console)で設定 | macOS 12以降/Windows 10(64bit)以降/iPadOS・iOS 16以降 | なし | 公式商品ページに記載なし | 39,600円(池部楽器店) |
1機種ずつの特徴
YAMAHA AG03MK2:1人で配信するならまず候補
ヤマハが「ライブストリーミングミキサー」として出しているモデルです。マイク入力1つ(ヘッドセットマイク端子と切り替え)、ギターもつなげるステレオライン入力、スマホ用の4極ミニ入出力を備えています。配信に送る音は本体の「STREAMING OUT」で「DRY CH 1-2G/INPUT MIX/LOOPBACK」から選べるので、ループバックの切り替えが手元で完結します。
配信中に便利なミュートボタンや、COMP/EQ・リバーブなどのDSPエフェクト(本体内で音を整える機能。細かい設定は専用アプリAG Controllerで行います)も搭載。iOSでは外部から電源を送るためにApple製カメラアダプターの使用が推奨されています。
YAMAHA AG06MK2:マイク2本や楽器も使う配信に
AG03MK2の入力を増やした兄弟機です。マイク/ライン入力が2つになり、CH2はギターにも対応。コラボ配信で2人がマイクを使う場合や、「歌いながらギターを弾く」配信に向いています。ループバックの切り替え方やDSPエフェクト、4極ミニ端子はAG03MK2と同じです。そのぶん幅は152mmとAG03MK2より少し大きくなります。
Roland GO:MIXER STUDIO:スマホでの演奏動画・配信にも
2026年1月に発表されたローランドのミキサー兼オーディオインターフェースです。マイク/ライン入力2つに加え、ギター/ベース入力、ステレオライン入力、AUX(4極ミニ)、ヘッドセットマイクまで、入力の種類がとても多いのが特長です。カラー液晶画面を備え、各チャンネルにEQとコンプレッサー、リバーブも内蔵しています。
取扱説明書には、ループバックをオン・オフする「LOOPBACK」パラメーターがあると書かれています。製品ページでは、USB-Cでつないだモバイル機器の音を再生しながら演奏できるループバック機能として紹介されています。対応はiOS/iPadOS 18以上(USB-Cコネクタ搭載機種)、macOS 15以上、Windows 11です。Androidは公式仕様ページに記載がありません。
YAMAHA UR22MK3:安く・本体スイッチだけでループバック
2025年10月にヤマハから発売されたエントリーモデルです。ヤマハのニュースリリースでは、スタインバーグ「IXOシリーズ」と同じ仕様と案内されています。マイク/ライン入力2つ(INPUT2はHi-Z対応)を備え、ループバックは本体前面の[MONITOR]スイッチで切り替えます。1秒以上長押しすると、ダイレクトモニター(入力音を遅れなくヘッドホンで聞く機能)の設定を変えずにループバックだけをオン・オフできます。
各入力にミュートスイッチがあり、配信中に席を外すときもマイクだけを消せます。Mac・Windowsに加えてiPad・iPhoneにも対応。Lightning端子のiPhone/iPadでは、Apple製のLightning-USB3カメラアダプタと外部電源が必要です。なお、ループバックを使うときはDAW(音楽制作ソフト)のモニター機能をオフにするよう、ユーザーガイドで注意されています。
KORG microAUDIO 22:曲づくり中心で、ときどき配信
コルグの2in/2outオーディオインターフェースです。マイク/ライン入力2つはステレオリンク(1つのつまみで2つの入力をまとめて調整する機能)に対応し、チャンネルごとにノイズゲートやコンプレッサー/リミッターも使えます。
ループバックは、パソコンで再生した音を入力3-4chとして戻す方式です(取扱説明書より)。マイクの音(入力1-2ch)とは別のチャンネルで届くので、配信ソフト側で両方を選んで混ぜます。Windowsで使うには専用ドライバーのインストールが必要です。22と上位モデル722の違いは、microAUDIO 22と722の違いでまとめています。
Focusrite Scarlett 2i2 4th Gen:定番機でループバックも使える
世界的に定番のScarlettシリーズの2入力モデルです。公式サイトでは同時入出力を「4×2(ループバック入力を含む)」と書いており、ループバックは入力3-4chとして扱われます。設定は専用ソフト「Focusrite Control 2」で行います。
注意点として、Focusriteのサポート記事では、Macで入力チャンネルを細かく選べないアプリ(例:Discord)では入力1しか使えないことがある、と案内されています。配信ソフトのOBSのように入力チャンネルを選べるソフトで使う前提で考えるとよいでしょう。公式製品ページにはiOS・Androidへの対応は書かれていません。
Universal Audio Volt 2 Gen 2:曲づくりの音づくりも重視したい人に
ユニバーサルオーディオ(UA)のVoltシリーズ第2世代の2入力モデルです。公式サイトではループバック機能について「ライブの音源とパソコンの音を混ぜられる」と説明しており、ポッドキャストや配信向けの機能として紹介されています。ループバックは専用ソフト「UAD Console」のループバック・チャンネルで扱います。
対応OSはmacOS 12以降、Windows 10(64bit)以降、iPadOS/iOS 16以降。USBバスパワー(USBケーブルからの給電)で動きます。Voltシリーズ第2世代の全体像はUA Volt Gen 2/Volt Maxまとめをご覧ください。
まとめ
ループバックは「パソコンの音とマイクの音を一緒に配信ソフトへ送る」ための機能です。選ぶときは、次の3点を押さえておくと失敗しにくくなります。
- 配信中に手元で切り替えたいなら、本体スイッチで操作できる機種(AGシリーズ、UR22MK3、GO:MIXER STUDIO)
- スマホで配信するなら、iPhone/Android対応が公式に書かれている機種
- 弾いてみた配信なら、マイクと楽器を同時につなげる入力数とHi-Z入力
配信だけでなく曲づくりも始めたい人は、初心者向けオーディオインターフェース比較や、DTM・宅録を始める機材リストもあわせて参考にしてください。
参考にした情報
- ヤマハ AG03MK2 仕様
- ヤマハ AG03MK2 製品ページ
- ヤマハ AG06MK2 仕様
- ローランド GO:MIXER STUDIO 仕様
- ローランド GO:MIXER STUDIO 取扱説明書(PDF)
- ヤマハ ニュースリリース『URX-Cシリーズ』『UR-MK3シリーズ』(2025年10月9日)
- ヤマハ UR22MK3 UR12MK3 ユーザーガイド(PDF)
- コルグ microAUDIO 22 / 722 製品ページ
- コルグ microAUDIO 22 / 722 仕様
- KORG microAUDIO 22 Owner’s Manual(PDF・英語)
- Universal Audio Volt 2 Gen 2(英語)
- Universal Audio UAD Console for Volt Manual(英語)
- Focusrite Scarlett 2i2 4th Gen(英語)
- Focusrite Control 2でLoopbackを使用する方法









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